Ⅰ あらまし読み
情報を箇条書きで整理する方法もありますが、
情報量が増えてきたとき、
空間利用した、この「マップ」が意外に役立ちます。
授業記録、会議録や講演記録にも使えます。
⑬では、興味や関心の持てる章を選んで、およそ15分で読みながらマップに「語・語句・短文」を記入していきます。
興味ある読みたい箇所を10ページぐらい設定します。スキミング(掬(すく)い読み)がうまくできると、15分でも30ページぐらい飛ばして「小見出し」や「結論章の文章」、「強調文字」だけを眺める読みができます。
(1)空白の中央〇のなかに、小見出しなどを利用して、タイトルを書きます。
(2) 読んでいきたい箇所を15分程度、集中して読みながら、「語・語句・短文」を抜き出す活動をします。時間中は、読んで描いて、描いて読んでの繰り返しです。書き出す「語・語句・短文」には1つずつ〇で囲み、概念化するイメージを作ります。読みながら出てきた順につないでいきましょう。小見出しで区切られているところを利用して、改めて中心〇から出直していくことを勧めます。できあがったマップが左右対称のきれいな形になるとは考えないで自由に伸ばしていきます。
(3)1回目、2回目は、読むことだけで精一杯で、マップは2語、3語という大学生さんもいました。3回目には、大学生の1クラスの平均数(〇でかこんだ語、語句や文の数)は、17ぐらいになるクラスが多かったです。多ければいいというものではないので、情報の整理に必要な抜き出しができたらじゅうぶんです。
(4)本の文章(テクスト)のなかに、自分にとって重要だなと思う「語・語句・短文」を探す練習だと思って、読んでは描き、描いては読むという活動に慣れ、気楽にやってみてください。情報を箇条書きで整理する方法もありますが、情報量が増えてきたとき、意外にこのマップが役立ちます。授業記録、会議録や講演記録にも使えます。
(5)マップ描き終わる直前1分間は、このマップをもとに他者に説明するとき、どの語がもっとも重要かを考え、赤い印をつけておくと、この後の対話交流のときに効果的です。マップを見せながら、話せると一番いいですね。
(6)始めは、ぐちゃぐちゃとした書きなぐりであっても結構です。一度でもマップ化しておくと、備忘録になります。さらに、書き直してみることも意味がありますので、「あらまし読み」の60分間が終わってから、やってみてもよいかもしれません。あまり神経質にならず、頭の中の整理には大きく役立ちます。目的は、最後のレポートやプレゼンですから、途中プロセスを完璧にする暇はありません。
●「STEP1」「STEP2」では、話す・聴く活動だけで交流しました。最後は、互いにコメントを書いてあげるという記録に残します。
●交流結果を記録に残すということは、レポート作成の途中でも、ぜひ繰り返し行ってみてください。自分のまとめや考えが俯瞰的に、整理できます。
●自分で選んだ本を「あらまし読み」した結果、未知情報が既知情報に変換し、納得がいくことも増えるはずです。新しい知識や情報の獲得であり、「情報読書」の重要なところです。
●その一方で、難解であることやもっと知りたいと思うことが出てきて、モヤモヤする箇所もメモしておきましょう。このモヤモヤが、「レポートでの思考」につながります。
●「あらまし読み」をした後、その本を2度読みするのか、どうするのか、すべて自分で決めてください。期限のあるレポート提出までの時間と相談しながら、決めてください。大学の授業の最後には、レポート課題が5点、6点と一気に課せられることもよくあることです。レポート1点の完璧主義に陥らないように、バランスよく読み書きしましょう。
●情報量が増えてきたとき、
空間利用した、この「マップ」が意外に役立ちます
●「あらまし読み」した内容は、だれかと話すこと
●話した内容を交流するために、話すだけでなく、記録に残すこと
●いま、やっている学習は、全体の一部分であることを想定し、
俯瞰的な目をもって
期限までに課題を行う計画性をもつこと
➡ つぎの節は、
Ⅰ 「あらまし読み」実践 6.対話 について解説します。
アクティブ・ラーニングでは3人以上のグループ学習が多いですが、
「フリーライダー(ただ乗り)」を避けるために、2人の対話を重視しています。